みかげ塗り-祈りを包む、阿波和紙のぬくもり

みかげ塗り-祈りを包む、阿波和紙のぬくもり

祈り習慣では、さまざまなお位牌を取り扱うとともに、伝統素材の魅力を生かした特別なお位牌づくりにも取り組んでいます。千年以上の歴史を誇る阿波和紙は、藍染をはじめとする染めの文化と深く結びつき、この地ならではの豊かな表情を生み出してきました。

職人の手によって和紙が丁寧に貼られ、幾重にも塗りを重ね、磨き込まれて完成するお位牌には、やさしいぬくもりと確かな存在感が宿ります。

今回は、その阿波和紙を生かした「みかげ塗り位牌」をご紹介します。

 


みかげ塗り位牌のシリーズ一覧

美影 -みかげ-

星河 -せいが-

黒影

 

阿波和紙-伝統が宿る柔らかな表情

お位牌の素材に用いられる阿波和紙は、徳島で千年以上の歴史を持つ和紙の名産品です。揉み和紙特有のしわや質感が光を受けて陰影を生み出し、温かみのある表情を与えます。伝統的な染めの技法により、深みのある色合いと独特の風合いをまとい、しっとりとした感触と強度を兼ね備えています。祈りの空間に寄り添い、やさしい温もりを添える素材です。

 

職人の手仕事が生み出す主な工程

みかげ塗り位牌は、およそ25にも及ぶ工程を経て完成します。阿波和紙の乾燥と染色、木地への貼り付け、金銀粉による加飾、そして塗り重ねと磨き上げ。すべての工程を熟練職人が手作業で行うことで、深みのある光沢と唯一無二の存在感が生まれます。

 

1. 阿波和紙の乾燥と染色

数か月かけて乾燥させた徳島の阿波和紙に、染料を染み込ませます。しわの陰影を生かすことで、柔らかく立体的な表情が生まれます。

2. 和紙貼り

用途に合わせて素材に染色した和紙を木地に丁寧に貼り付けます。アイロンで形状に合わせ、境目もきれいに整えます。

3.加飾

金粉・銀粉などを手作業で施し、職人の技が生む繊細な装飾を完成させます。

4.塗り重ね・コーティング

ポリエステル塗装で厚みをつけ、曲面も均一に仕上げます。最後にコンパウンドで磨き込み、光沢を出します。

5.完成-阿波和紙のぬくもりを宿すお位牌

最後に磨きとワックスで仕上げ、検品を経て完成。和紙の風合いや染まりの表情はひとつひとつ異なり、祈りの空間に寄り添う唯一無二のお位牌となります。

 

暮らしに溶け込む伝統の美

徳島の自然と文化に育まれた阿波和紙と、受け継がれた職人の技。その調和によって生み出される「みかげ塗り位牌」は、祈りの時間をより深く、気品あるものにしてくれます。私たちが手掛けるお位牌やお仏壇は、古き良き伝統を尊びながらも、現代の住まいにしっくりと馴染む美しさを追求しています。

阿波和紙ならではのやわらかな風合いと、丹念に重ねられた塗りの輝きが宿る「みかげ塗り位牌」。大切な方を想うひとときを、心静かに、そして豊かに彩ります。日々の祈りが、穏やかな時間として寄り添うことを願っています。

 

みかげ塗り位牌のシリーズ一覧

美影 -みかげ-

星河 -せいが-

黒影


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