お盆の供養について - 故人様を迎える大切な期間の準備

お盆は、ご先祖様の霊が一時的にこの世に帰ってくるとされる、日本の伝統的な行事です。帰ってきたご先祖様や故人様の霊を家に迎え入れ、感謝の気持ちとともに供養します。
また、お盆は子どもたちにとっても、ご先祖様の存在を身近に感じることができる貴重な時間です。家族の帰省や親戚・友人が集まり、ご先祖様を交えて思い出を共有し、共に過ごす時間ともされています。
初盆(新盆)とは?
「初盆(新盆)」とは、故人様が亡くなられてから四十九日の忌明けを過ぎて初めて迎えるお盆のことを指します。なお、四十九日より前にお盆を迎える場合は、翌年に初盆を行うことが一般的です。
通常のお盆と同じく、故人様をお迎えして供養する行事ですが、「初めてお迎えする」という点で特に大切な節目とされます。そのため、多くのご家庭では僧侶を招いて読経していただき、法要を行うことが多いです。
お盆の準備|仏壇・位牌のお手入れ
お盆の時期を迎える前に、ご先祖様を心地よくお迎えするため、仏壇や位牌のお手入れをしておきましょう。
- 柔らかい布やハタキで、仏壇全体のホコリを優しく取り除きます。
- 仏具、花立て、ロウソク立てなどは、中性洗剤で丁寧に洗い、乾かしてから戻します。
- 位牌や仏壇の金箔部分、漆塗り部分は傷みやすいため、水拭きせずに乾いた柔らかい布でやさしく乾拭きしましょう。
お掃除の際には、ご先祖様への感謝の気持ちを込めながら手を動かすことも大切な供養のひとつです。
お盆の準備|お供え物とお盆飾り
お盆には、仏壇の前にお供え物やお盆飾りを整えます。地域によって風習に違いはありますが、一般的には次のようなものを用意します。
お供え物の例
- お花:トゲのない季節の花(例:菊、リンドウなど)
- 果物・野菜:旬のもの(奇数個が良いとされています)
- 精進料理:炊きたてのごはん、お味噌汁、煮物などをお膳に盛り付けます
- 団子・おはぎ:白玉団子やあんこを使ったものなど
- 故人様の好物:お酒やお菓子なども喜ばれます
盆提灯
お盆の時期に飾る提灯で、先祖の霊が迷わずに帰ってこられるように目印として用いられます。提灯の灯りは、霊を自宅へ導く「迎え火」や、送り出す「送り火」の役目を果たします。現在はライフスタイルに合わせた小型の置き型タイプやLEDタイプのものも増えています。
精霊馬(しょうりょううま)
お盆の風物詩で「きゅうり=馬(早く帰ってこられるように)」と「なす:牛(ゆっくり帰ってもらえるように)」の意味を込めてそれぞれに割り箸で足をつけて仏壇のそばに飾ります。
お盆は「感謝」を伝える時間
お盆の供養の形は、地域や家庭によってさまざまですが、もっとも大切なのは「故人を思い、感謝を伝える心」です。静かに手を合わせ、心を通わせることが何よりの供養になります。